サイラス隊長
御機嫌よう。
今日はトーナメント戦だったわ。
前の試合で、去年も戦ったお義母さんにギリギリで勝って、
次の試合は、去年戦って負けたサイラス隊長。
…ここできたか…という感じ。
準決勝で負ければ今の役職から落ちてしまう。
でも、仕方ないわよね…。
「カッシネリさん。1年でどれだけ成長したか、私に見せてください。」
「…。」
去年これを使って、結局は骨折り損だった…。
今年は。
使わない。
「来年に期待していますよ、カッシネリさん」
あーあ。これで今年の試合は終わりね。
あらジェイニー…。
そうね…分かってはいたけど、やっぱり負けるのは悔しいものね。
ジェイニー…お姉さんらしくなってきたじゃない。
ありがとう。
ファニートも気を遣ってか、慰めにか、
探索じゃなくて仕事に誘ってくれる。
それも毎回農場。
ダンジョンとは反対方向だし、農場はのんびりしたところだし…
気を遣ってくれてるのかな…。
ありがとう。みんなの優しさが身にしみるわ。
恋愛問題児の結婚(力作)
御機嫌よう。
今日はついに、
恋愛問題児トマ・ルイの結婚式よ!
幼馴染 最後の結婚式。
2人とも綺麗ね。
式のあと、私はいつものように写真をプレゼントするために、
雑貨屋さんで素材を調達。
一番手を焼いていた幼馴染の結婚式ということもあって、選ぶのにはとても迷ったわ。
リボンはどっちにしようか…
これは2つとも買っちゃおー♪
なんてグダグダしてると、通りかかったファニートに驚かれたわ。
「まさかそれ全部使うの?」
だって、選べなかったんだもの。
そして家でプレゼント作り。
3種類作ってまた迷ったわ。笑
これだとシンプルすぎるかしら…
これはリボンが使えないわね…。
結局プレゼントに選んだのはこれ。
買ったリボンは1つも使わなかったけど、
これが一番可愛くなったわ。
初めてこんなに迷いながら作ったわ。
あとで渡しに行こう。
末長くお幸せにね。
優しさと隠れた努力
御機嫌よう。
ファニート生誕祭の朝。
1階に降りると王族親友ダリーナがいた。
あ…。
実は昨日何も食べずに過ごしたのよ…。
私の調子を伺って帰っていくダリーナ。
まだ朝1刻になったばかりよ。
…もしかして、私のことを心配して夜からずっといたの…?
ダリーナ…
知らないうちに私のこと、見ててくれてたのね…
前は辛く当たってしまってごめんなさい。
やっぱり親友は大事にするべきね。
そのあとファニートの誕生日を祝うためにスープを作って、
1年の抱負なんかを聞きながら食べたわ。
心配してくれてありがとう、ダリーナ。
と。
そんなこと言うなんて珍しいわね。
なあに、なにがお望みかしら?笑
そういうことね。笑
もちろん、いいわよ。
快諾して、久々にファニートと探索へ。
ファニートも強くなってるわ…!
2人で同じ歌を口ずさみながら奥へ進む。
ファニートは私への攻撃をほとんど代わりに受けて、
なんとか攻略。
かばってくれてありがとう、今日はゆっくり休んでね。
帰らずの洞窟を出ると、
親友のエレアノーラが待っていて、アヒージョをくれたわ。
昨日から今朝にかけての空腹を心配して、
わざわざ作ってくれたみたい。
私はいろんな人にお世話になっているわね。
その後いつものようにゲーナの森に探索に行く途中、森の小道から出てきたお父さんの姿が。
なんだ…ちゃんと毎日頑張ってたんだ…。
王配 崩御
御機嫌よう。
今日もいつものように、「魔銃兵志願書」に名を連ねるお父さんに ダンジョン探索を断られ…
…もう何度断られたかわからない…。
なんだか今日は無性に腹が立って、
「やる気がないなら、魔銃兵になるなんて言わないで!」
と吐き捨てて自分の領地へ向かったわ。
と、あの可愛い服…。
モニカ王配…?
そこにぴっとりくっついている忌まわしいのはもしかして…。
やっぱりそうだわ。
こんなこと言うの、経験あるのよ。
亡くなったエリーザの最期と同じだわ。
探索の予定を急遽変更して、そばにいようってすぐ決めた。
モニカ王配にはたくさんの人がお見舞いに来たわ。
人望が厚いのね。
私も居室にいる間、
モニカ王配の服のこと、お父さんの中途半端な態度のこと、いろんな事を話して、
気付いたら仲良くなってたわ。
夕刻に近衛騎兵選抜トーナメントの審判に駆り出されたけど、
終わったら急いでモニカ王配の元へ。
夜1刻。
エリーザの亡くなった時刻。
やっぱりその時は訪れたわ。
陛下も見守る中、王配は安らかに旅立っていった。
今日仲良くなったばかりの王配。
命は儚い。
身をもって思い知ったわ。
葬儀にはもちろん参加。
享年23歳。
大勢に愛されたジェマ国の王配は、きっとどこかで皆を見守っているはずよ。
恋愛問題児&美人さん&…
ちょっと前にあったことを話すわ。
ふふ。
あの恋愛問題児トマ・ルイに国民の彼女がやっとできたことは、前にも言った通りよね。
でも、彼らがどこかへ行くとか、会って話しているとか、
そういうところは今まで全く見てこなかったの。
大人の付き合いってやつかしらって、あまり気にしていなかったのだけど…
収穫祭のあの日。
ひたすらイチャイチャしてたのよ!!!
「やあ、どこから見ても綺麗だなぁ♡」
「やめてよもう、トマ・ルイさんたら…♡」
…ゴシップ情報見てるふりしてずっと盗み聞きしてたけど、
お昼から夕方までずーっとこんな感じだったわ。
全く…聞いて呆れるわよ…。
この子がトマ・ルイの彼女。
いいえ、婚約者…と言うべきね。
信心深いトマ・ルイにとっては、飾らない性格の彼女は合っているかもしれないわね。
とある日の朝。
フィグネリアは、美人親友グレンダの長女。
お腹に優しいお土産でも持って、行きましょうかしらね。
こんにちは、フィグネリア。
具合はどう?
出産に関しては私は少し先輩だから、何でも聞いてね。
これ、お腹に優しいから、飲んでみて。
腰をさすりながら、その時を待ったわ。
あぁ、そろそろね。
…
……
おめでとう!可愛らしい男の子が生まれたわ。
トビーさんもいい笑顔ね。
男の子の名前はパトリツィオ。
綺麗な青い目は両親の目ね。
お疲れさま、フィグネリア。
おまけ。
お風呂に行ったのにどうしてお父さんは臭いままのか…。
娘の説得を振り切って帰っていくお父さん。
もしかして…認知症…⁈